相場転換点を見抜く!ピボット分析の活用術
投資の初心者
投資で使われるピボットって、どういう意味ですか?何をするものなのか、簡単に教えてください。
投資アドバイザー
ピボットは、前日の株価の動きをもとに、今日の株価が上がりやすいか下がりやすいかを予測するための指標の一つです。特に、支持線や抵抗線を見つけるのに役立ちます。
投資の初心者
支持線とか抵抗線というのは、株価が止まりやすいラインのことですよね?ピボットを使うと、それがわかるんですか?
投資アドバイザー
はい、その通りです。ピボットを使うことで、今日、株価がどのあたりで止まりやすいか、あるいは反発しやすいかの目安を知ることができます。ただし、あくまで目安なので、他の情報と合わせて判断することが大切ですよ。
ピボットとは。
投資の世界で使われる「ピボット」という言葉は、著名な技術分析家であるJ・W・ワイルダー・Jr.が考え出した指標です。これは、前日の最高値、最安値、そして終値という三つの数値を使って、その日の相場において価格が下支えされたり、逆に価格上昇の妨げになったりする水準を予測するために用いられます。
ピボットとは何か?基本を理解する
ピボットとは、相場の転換点を予測するための指標で、前日の高値、安値、終値を利用して算出されます。この指標を用いることで、当日の相場における支持線や抵抗線となりうる水準を予測できます。支持線は相場が下落する際の支えとなり、抵抗線は上昇を阻む壁となることが期待されます。これらの水準を把握することで、投資家はより適切な売買判断を下すことが可能になります。
ピボットは単独で使用するだけでなく、移動平均線などの他のテクニカル分析と組み合わせることで、さらに精度を高めることができます。多様な分析手法を組み合わせることで、相場の全体像をより深く理解し、リスクを管理しながら収益機会を追求することが可能になります。日中の短期取引だけでなく、数日から数週間程度の取引にも活用できるため、投資戦略の幅を広げる有効な手段と言えるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
ピボット | 相場の転換点を予測する指標 |
算出方法 | 前日の高値、安値、終値を使用 |
利用目的 | 当日の支持線・抵抗線の水準を予測 |
活用方法 | 他のテクニカル分析と組み合わせて精度向上 |
取引期間 | 短期取引から数週間程度の取引まで対応 |
ピボット計算式:三つの重要価格から算出
ピボット計算法は、前日の相場から得られる三つの価格を用いて算出されます。基準となるピボット点(PP)は、前日の最高値、最安値、そして終値を合計し、それを三で割ることで求められます。つまり、PP = (最高値 + 最安値 + 終値)/ 3 という計算式です。次に、支持線(S1、S2)と抵抗線(R1、R2)は、このピボット点を基準にして計算されます。R1 = (2 * PP) – 最安値、S1 = (2 * PP) – 最高値、R2 = PP + (最高値 – 最安値)、S2 = PP – (最高値 – 最安値)という数式を用います。これらの数式からわかるように、ピボット点は、前日の価格変動幅(最高値と最安値の差)とピボット点そのものを使って、当日の支持線と抵抗線を予測します。これらの線は、相場が特定の方向に動いた場合に、価格が反転する可能性のある水準を示唆するため、取引戦略を立てる上で非常に重要な情報となります。例えば、価格がR1を上回った場合、R2まで上昇する可能性が考えられますし、逆にS1を下回った場合は、S2まで下落する可能性が考えられます。これらの水準を意識することで、より適切な売買のタイミングを判断し、危険を管理しながら利益を最大化することが可能になります。
指標 | 計算式 | 説明 |
---|---|---|
ピボットポイント (PP) | (最高値 + 最安値 + 終値) / 3 | 基準となる価格 |
第一抵抗線 (R1) | (2 * PP) – 最安値 | 価格が上昇時に抵抗を受ける可能性のある水準 |
第一支持線 (S1) | (2 * PP) – 最高値 | 価格が下落時に支持される可能性のある水準 |
第二抵抗線 (R2) | PP + (最高値 – 最安値) | R1よりもさらに上の抵抗線 |
第二支持線 (S2) | PP – (最高値 – 最安値) | S1よりもさらに下の支持線 |
サポートラインとレジスタンスライン:相場の壁
相場における支持線と抵抗線は、価格の動きを分析する上で欠かせない考え方です。支持線は、価格が下がるのを食い止める防壁のようなもので、過去に多くの買い注文が集まり、価格が跳ね返された水準を示します。一方、抵抗線は、価格が上がるのを阻む天井のようなもので、過去に多くの売り注文が出て、価格が押し戻された水準を示します。これらの線は、過去の価格変動から将来の価格の動きを予測する手がかりとなります。価格が抵抗線を上抜ければ、上昇傾向が強まる兆しと見ることができ、逆に支持線を下抜ければ、下降傾向が強まる兆しと見ることができます。ただし、これらの線は絶対的なものではなく、市場の状況や他の分析手法と組み合わせて判断することが重要です。相場の流れを読むための参考として活用しましょう。
支持線 | 抵抗線 | |
---|---|---|
定義 | 価格が下がるのを食い止める防壁 | 価格が上がるのを阻む天井 |
意味 | 過去に買い注文が集まり、価格が跳ね返された水準 | 過去に売り注文が出て、価格が押し戻された水準 |
活用 | 下落トレンドからの反発ポイントの予測 | 上昇トレンドからの反落ポイントの予測 |
突破時 | 下抜ければ下降傾向が強まる兆し | 上抜ければ上昇傾向が強まる兆し |
注意点 | 絶対的なものではなく、市場の状況や他の分析手法と組み合わせて判断する |
ピボットの活用法:エントリーとエグジットの判断
ピボットは、相場への参入と撤退のタイミングを見極めるのに役立つ道具です。例えば、相場価格がピボットポイントを上回ってR1に近づいた時、これは上昇傾向が強まっている兆候と考えられます。R1を突破する可能性が高いと見て、R1を目当てにした買いで参入を検討できます。損失を抑えるために、ピボットポイントの少し下に損失確定点を設定します。逆に、相場価格がピボットポイントを下回ってS1に近づいた時は、下降傾向が強まっているサインです。S1を下抜ける可能性が高いと判断し、S1を目当てにした売りで参入を検討します。この場合も、ピボットポイントの少し上に損失確定点を設定し、損失を限定します。既に持ち高がある場合、ピボットポイントは利益を確定する目安になります。買い持ちの場合、価格がR1に達したら、一部または全部を決済して利益を確定します。同様に、売り持ちの場合、価格がS1に到達したら、一部または全部を決済して利益を確定します。ピボットポイントは、相場の状況に合わせて活用することで、危険を減らしつつ利益を増やせる有効な手段です。しかし、単独で使うのではなく、他の技術的な指標や相場の状況と合わせて判断することが大切です。
状況 | 判断 | 戦略 | 損失確定点 | 利益確定点 | 注意点 |
---|---|---|---|---|---|
価格がピボットポイントを上回りR1に近づく | 上昇傾向が強い | R1を目当てに買いで参入 | ピボットポイントの少し下 | R1到達時、一部または全部を決済 | 他の指標と合わせて判断 |
価格がピボットポイントを下回りS1に近づく | 下降傾向が強い | S1を目当てに売りで参入 | ピボットポイントの少し上 | S1到達時、一部または全部を決済 | 他の指標と合わせて判断 |
他の指標との組み合わせ:精度を高める
ピボットポイントは単独でも有用ですが、他の技術的指標と組み合わせることで、さらに精度を高めることができます。例えば、移動平均線と組み合わせることで、相場の方向性を確認できます。価格が移動平均線より上にあれば上昇傾向、下にあれば下降傾向と判断し、ピボットポイントの抵抗線や支持線を目標とした売買戦略を立てられます。また、相対力指数や移動平均収束拡散法のような指標と組み合わせることで、相場の過熱感や価格と指標の逆行現象を把握できます。価格が第一抵抗線に達し、相対力指数が70を超えていれば、相場は買われすぎであり、反落の可能性があります。出来高分析と組み合わせることで、ピボットポイントの信頼性を判断できます。価格が出来高を伴って第一抵抗線を上抜けた場合、そこが強い支持線に変わる可能性が高まります。このように、ピボットポイントを他の指標と組み合わせることで、多角的な分析が可能になり、精度の高い取引戦略を立てることができます。それぞれの指標の特性を理解し、相場の状況に合わせて最適な組み合わせを見つけることが重要です。
組み合わせる指標 | 目的 | 活用例 |
---|---|---|
移動平均線 | 相場の方向性の確認 | 価格が移動平均線より上なら上昇傾向、下なら下降傾向と判断し、ピボットポイントの抵抗線や支持線を目標とする。 |
相対力指数(RSI) / 移動平均収束拡散法(MACD) | 相場の過熱感や価格と指標の逆行現象の把握 | 価格が第一抵抗線に達し、RSIが70を超えていれば、相場は買われすぎであり、反落の可能性を考慮する。 |
出来高分析 | ピボットポイントの信頼性の判断 | 価格が出来高を伴って第一抵抗線を上抜けた場合、そこが強い支持線に変わる可能性が高いと判断する。 |