
権利行使で損益が出ない状態:アット・ザ・マネーとは
金融派生商品、とりわけ選択権取引で使われる専門用語に「等価」というものがあります。選択権とは、将来の特定日に、予め定められた価格で特定の資産を買う、または売る権利のことです。この予め定められた価格を権利行使価格と言います。「等価」とは、この権利行使価格と現在の市場価格がほぼ同じ状態を指します。つまり、選択権を行使しても利益も損失も出ない状態です。選択権の買い手から見ると、購入費用を考慮すると実際には損失が出ている状態ですが、権利行使自体では利益を得られないという点で損益分岐点と考えることができます。等価の選択権は、将来の価格変動への投機や、資産全体の危険回避など、様々な戦略に利用されます。また、選択権価格の理論モデルにおいても重要な基準となります。選択権取引を理解する上で、等価の概念は非常に重要であり、その意味合いを正確に把握しておくことが不可欠です。