
外貨預金と市場の安定性:金利差から読み解くリスク
短期金融市場における信用危険度を示す指標が、テッド・スプレッドです。これは、米国の財務省証券の先物利子と、銀行間取引利子(国際的な金融機関同士が資金を融通する際の利子)の先物利子の差額で算出されます。財務省証券は信用度が非常に高いため、その利子は低い水準にあります。一方、銀行間取引利子は、各金融機関の信用状況や市場全体の資金の流れに関する危険度を反映します。したがって、この二つの利子の差が大きくなるほど、金融機関の信用不安が高まっている、または市場全体の資金の動きが鈍くなっていると考えられます。投資家は、市場の健全性を測る上で、テッド・スプレッドを重要な判断材料として利用します。過去の金融危機の際には、テッド・スプレッドが急激に拡大した後、市場が大きく変動する事例が多数見られました。外貨預金などの金融商品を選ぶ際には、テッド・スプレッドの動きに注意し、市場の変動危険度が高まっている時期には、より慎重な投資判断を心がけましょう。