
株式市場におけるクロス取引とは?その仕組みと注意点
クロス取引とは、証券会社が仲介し、特定の株式について、同じ株数の売り注文と買い注文を同時に市場に出して、売買を成立させる取引方法です。これは、一見すると証券会社自身の売買のように見えますが、実際には、異なる顧客間や、顧客と証券会社の間で行われる取引です。主に、まとまった株数を円滑に売買するためや、特定の目的を達成するために用いられます。例えば、投資家が大量の株式を売りたい時に、市場への影響を抑えつつ、別の投資家へスムーズに譲渡するために利用されます。また、企業が自社の株を取得したり、グループ会社間で株式を移転したりする際にも活用されます。クロス取引は、市場の需給に大きな影響を与えにくいというメリットがありますが、透明性や価格の公平性については議論があります。そのため、証券取引所や監督官庁は、投資家を保護する観点から、クロス取引に関する規則を設け、監視を行っています。