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厚生年金基金の給付現価負担金とは?制度の概要と背景を解説

給付現価負担金は、過去に存在した企業年金制度である厚生年金基金において、基金が積み立てるべき最低限の積立金が不足した場合に、国から支給される資金です。具体的には、過去の加入期間に対応する年金の現在価値が一定の割合を下回ると、その不足分を補填するために支給されました。これは、基金の財政が悪化した際に、年金受給者の給付を守るための安全網として機能していました。この制度が導入された背景には、厚生年金基金制度が抱える特有の財政問題があり、年金制度全体の安定化を図るという目的がありました。現在、厚生年金基金は原則として解散しており、この給付現価負担金も過去の制度となっています。
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年金財政における期間のずれとその解消

期間のずれとは、企業年金、特に厚生年金基金の財政を考える上で重要な問題です。具体的には、将来の給付に必要な資金を計算する際、過去の投資成果を利用する方法において、投資成果の確定に時間的な遅れが生じることを指します。以前は、過去の運用実績に基づく利回りを使い、将来の給付に必要な最低限の準備金を計算していました。この計算では、実際には翌年度に確定する運用利回りを、さらにその翌年度の計算に用いていたため、およそ一年と九ヶ月のずれが生じていたのです。このずれにより、最新の市場動向が準備金の計算に反映されにくく、準備金の額が実態と乖離するという問題がありました。そのため、より正確な財政状況の把握と健全な年金運営のためには、この期間のずれを解消することが求められていました。
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厚生年金基金解散時の最低責任準備金とは?

企業年金の一種である厚生年金基金が解散や代行返上を行う際、国に移管する必要がある最低限の資金が最低責任準備金です。これは、従業員の将来の年金給付を確実に保証するための重要な仕組みであり、もし基金が解散時に十分な資金を確保できていない場合、従業員の年金受給権が脅かされる可能性があります。そのため、国は最低責任準備金という形で、基金が解散する際に必ず一定額を国に移し、国の責任において年金給付を行うように定めています。この制度があることで、企業が倒産したり、基金の運用がうまくいかなかったりした場合でも、従業員の年金が守られるという安心感につながります。最低責任準備金は、年金制度全体の安定性を維持し、国民の老後生活を支える上で、非常に重要な役割を果たしています。