
全員が反対しない限り実施可能?ネガティブコンセンサス方式とは
消極的合意方式は、世界的な貿易機関において、提案された政策や決定事項に対し、すべての加盟国が明確に反対しない限り、自動的に合意とみなされる採択方法です。従来の全会一致方式とは異なり、積極的に賛成する必要はなく、反対意見がなければ可決される点が特徴です。多数の加盟国が存在する複雑な国際交渉において、迅速な意思決定を可能にするために導入されました。例えば、貿易に関する協定の改正案が提出された際、一部の加盟国が内容に懸念を抱いていたとしても、正式な反対意見を表明しなければ、改正案は承認されます。この手続きは簡便ですが、少数意見が軽視される可能性や、不十分な議論のまま重要な決定が下される危険性も伴います。そのため、消極的合意方式の運用には、透明性の確保と少数意見への配慮が不可欠です。加盟国は提案内容を十分に理解し、自国の利益に合致するかを慎重に検討する必要があります。反対意見を述べる際には、その理由を明確にし、建設的な対話を通じて合意形成を目指す姿勢が求められます。効率的な意思決定を促進しつつ、加盟国間の協力と相互理解を損なわないよう、慎重な運用が不可欠です。