バイアス

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投資情報

生存者偏向とは何か?投資判断における注意点

生存者選択性偏向とは、特定期間において存在し続けた対象のみを分析することで、誤った結論を導き出す思考の偏りです。投資の世界では、過去の運用成績を評価する際に、この偏りが問題となることがあります。例えば、投資信託の評価において、解散や合併によって消滅した運用成績の悪い投資信託がデータから除外されると、残存した投資信託の平均的な運用成績が実際よりも高く見えてしまうことがあります。これにより、投資家は過去のデータに基づいて将来の投資判断を行う際に、実際よりも楽観的な予測をしてしまう可能性があります。投資を行う際は、生存者選択性偏向の影響を考慮し、過去のデータだけでなく、市場全体の動向や経済状況など、多角的な視点から分析を行うことが重要です。また、投資顧問や専門家からの助言を受けることも、偏った情報に基づいた判断を避けるために有効な手段と言えるでしょう。
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部分の正しさ、全体の誤り:合成の誤謬とは

合成の誤謬とは、部分的に見ると適切または有利な判断が、全体としては望ましくない結果につながる誤った推論のことを指します。個々の農家が収穫量を増やそうと肥料を多く使用した結果、市場に作物が溢れかえり、価格が下落して農家全体の収入が減ってしまうという例があります。これは、個々の農家にとっては合理的な行動が、全体としては不利益をもたらす典型的な例です。 また、劇場で前の人の頭で舞台が見えないとき、見やすくするために立ち上がるとします。しかし、観客全員が同じように立ち上がると、結局誰の視界も改善されず、むしろ立つという行為が全員にとっての負担になります。このように、個人の最適化が全体の不利益につながる状況も、合成の誤謬の一例と言えます。 この誤謬を避けるためには、常に全体像を把握し、個々の行動が全体にどのような影響を与えるかを考慮することが重要です。経済政策や企業戦略を評価する際にも、部分的な視点だけでなく、社会全体への影響を考慮する必要があります。日々の生活においても、近視眼的な判断を避け、長期的な視点を持つことが大切です。