
将来の価格を固定する:先渡取引の活用
先渡取引とは、将来の特定の日時に、特定の資産を、予め合意した価格で売買する約束をする取引です。この取引は、市場を通さず、当事者間で直接行われます。例えば、企業が将来外貨を受け取る予定で、為替変動の危険を避けたい場合、銀行と先渡取引を結び、将来受け取る外貨を予め決められた日本円の価格で売却することを約束します。これにより、企業は将来の為替変動を気にせず、事業計画を立てられます。また、農産物の生産者が、収穫前に先渡取引を利用して、収穫物の価格を固定することも可能です。このように、先渡取引は、将来の価格変動の危険を回避するために広く利用されています。しかし、市場を通さない取引であるため、契約不履行の危険や、市場価格とのずれが生じる可能性も考慮する必要があります。