
投資効率を測る指標:シャープ比率とは
投資の世界において、危険度と収益性は密接な関係にあります。一般的に、高い収益を望むほど、それに伴う危険度も高まる傾向があります。しかし、同じ収益を得られるのであれば、より低い危険度で達成できる方が賢明な判断と言えるでしょう。例えば、二つの投資案件を比較してみましょう。案件甲は年率10%の収益が見込めますが、市場の変動に大きく影響を受け、価格が大きく下落する可能性も秘めています。一方、案件乙も同じく年率10%の収益が見込めますが、市場の変動の影響を受けにくく、安定した収益が期待できます。この場合、同じ収益率であるならば、危険度の低い案件乙を選ぶ方が合理的です。このように、投資の際には、単に収益率の高さを比較するだけでなく、危険度を考慮した上で、投資効率を評価することが重要となります。危険度を無視して高収益だけを追い求めるのは、射幸行為と変わりません。安定した資産形成のためには、危険度と収益性の均衡を見極め、自身が許容できる危険度の範囲内で投資を行うことが不可欠です。