ルーブル合意

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為替安定への協調:ルーブル合意とは

一九八〇年代は、世界経済が大きく変化した時代でした。特にプラザ合意後の急激な円高は、わが国の経済に深刻な影響を与え始めていました。プラザ合意は、一九八五年九月に先進国がドル高を是正するために合意したものです。しかし、ドル安の勢いは予想以上に強く、わが国の輸出競争力が低下し、国内産業の空洞化が懸念されました。このような状況下で、為替相場を安定させ、各国が協力して経済政策を調整する必要性が高まりました。ドル安の流れを止め、安定した経済成長を実現するためには、国際的な協力体制が不可欠であるという認識が、ルーブル合意につながりました。ルーブル合意は、単なる為替介入だけでなく、各国の財政政策や金融政策における協調を促すものであり、より包括的な経済政策の枠組みを構築しようとする試みでした。
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為替相場安定への道程:ルーブル合意とは

一九八〇年代初頭、米国政府の大規模な税金軽減と金融引き締め政策が、ドル高を招きました。このドル高は米国の貿易での赤字を増やし、世界経済のバランスを崩す原因となりました。一九八五年九月、主要五か国はニューヨークで、ドル高を修正するための協力に合意しました(プラザ合意)。 プラザ合意後、ドルは大きく値を下げましたが、今度はドル安が行き過ぎることへの心配が出てきました。ドル安が米国経済に悪影響を与えたり、物価が上がる可能性が指摘されたのです。そこで、ドル相場を安定させるため、より具体的な政策協調を目指し、一九八七年二月、パリで主要七か国による会議が開かれ、ルーブル合意が成立しました。 ルーブル合意は、プラザ合意によるドル高修正の流れを止め、ドル相場の安定を目指す重要な合意でした。しかし、その後のドル相場は、ルーブル合意の思惑とは異なり、不安定な動きを見せることになりました。