
期間の重み付けで見る投資効率:時間加重収益率とは
時間加重収益率は、投資成果を測る上で欠かせない指標です。特に、企業年金のように、運用期間中に資金の出し入れが多い場合に、運用会社の腕前を正確に評価するために使われます。なぜなら、期間中の資金の増減は、運用会社の意図とは関係なく起こることが多いため、これらの影響をなくす必要があるからです。例えば、企業年金では、従業員からの掛け金が入ったり、退職者への年金が支払われたりして、運用資産の額が変わります。これらの変化は、運用会社の投資判断とは関係なく収益率に影響を与えるため、時間加重収益率を使うことで、より正確な運用実績の評価ができます。具体的には、運用期間を細かく分け、各期間の収益率を計算し、それらを幾何平均することで、資金の出し入れの影響を取り除いた収益率を計算します。この方法によって、運用担当者が実際にどれだけ資産を増やせたのか、その実力がはっきりと分かります。投資家や年金基金の担当者は、運用会社を選ぶ際や、運用状況を確認する際に、時間加重収益率を参考にすることで、より適切な判断ができるでしょう。