公営企業

記事数:(1)

その他

今はなき公営企業金融公庫:その役割と地方公営企業等金融機構への変遷

公営企業金融公庫、通称JFMは、かつて地方自治体が運営する水道や交通などの公共事業に対し、資金を融資していた特別な金融機関でした。これらの事業は、住民の生活に欠かせないものですが、運営には莫大な費用がかかります。JFMは、そのような資金の必要に応え、公共事業の安定を支え、住民へのサービス向上に貢献していました。具体的には、施設の建設や設備の更新、経営改善などのための資金を貸し付けていました。また、単に資金を提供するだけでなく、事業の経営相談や改善のための助言も行うなど、経営面でも支援していました。設立当初は、戦後の復興期におけるインフラ整備を支える重要な役割を担い、高度経済成長期には、都市化の進展に伴う新たな需要に応えるため、積極的に融資を拡大しました。しかし、経済状況の変化により、地方自治体の財政が悪化し、公共事業の経営も厳しさを増す中で、JFMの役割は見直されることになりました。その結果、二千八年に廃止され、現在は地方公営企業等金融機構にその役割が引き継がれています。JFMの歴史は、日本の地方自治と公共事業の発展とともにあったと言えるでしょう。