
解散を選択した年金基金:清算型基金とは
近年、経済情勢の悪化や運用環境の厳しさから、多くの年金基金が財政的な課題に直面しています。特に、厚生年金基金では、加入者の高齢化が進み、給付額が増加する一方で、運用益が伸び悩む状況が深刻化していました。将来的な給付を確保することが困難になった基金にとって、解散という選択肢を選ぶケースが増えています。しかし、解散には複雑な手続きや準備が伴い、加入者の権利を保護しながら円滑に進めるための制度が求められていました。そこで、平成25年の法改正により、清算型基金という制度が設けられました。この制度は、財政状況が著しく悪化し、事業継続が困難な基金が、計画的に解散を進めることを支援することを目的としています。清算型基金に指定されることで、基金は清算計画を作成し、厚生労働大臣の承認を得て解散できます。また、掛金納付の特例や分割納付の承認を申請することも可能です。この制度は、基金の解散を円滑に進めるとともに、加入者の年金受給権を保護することを目的としています。