
運用実績と予定利率の乖離:利差損益とは
利差損益とは、保険会社や企業年金などの機関投資家が資産を運用する際、事前に見込んでいた収益と実際に得られた収益との差額を指します。もし実績が予定を上回れば利差益となり、下回れば利差損となります。企業年金の場合、加入者への将来の給付を約束するため、年金資産を運用し、目標とする利回り(予定利率)を設定します。この目標達成のため、様々な金融商品に投資しますが、市場の変動などで実際の運用成果が予定を下回ると利差損が発生します。利差損が拡大すると、将来の給付に必要な資金が不足する可能性が生じ、企業は追加の資金拠出を迫られることもあります。逆に、利差益が発生すれば、将来の給付に必要な資金をより確実に確保できます。このように、利差損益は、年金制度の安定性や保険会社の経営状況を評価する上で、非常に重要な指標となります。