
単独設立とは?企業年金制度の基礎知識
単独設立とは、企業年金、特に厚生年金基金を一つの企業が自社の従業員のためだけに設立する形態を指します。原則として、企業に属する全ての事業所を含めて一つの基金を設立する必要があり、企業全体で大きな年金制度を構築します。この方式は、従業員数が多い大規模な企業に適しています。基金の運営には一定の規模が必要で、加入者数が少ないと運営費用が割高になるためです。
単独設立の利点として、基金の運営方針や給付設計を企業の意向に合わせて自由に決定できる点が挙げられます。企業の経営戦略や従業員のニーズに応じた柔軟な年金制度を設計・運営したい企業にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。しかし、基金の運営責任は全て企業が負うため、専門知識やノウハウが不可欠です。外部の専門家の支援を得るなど、慎重な準備が求められます。