
国際間の貸し借りが為替相場を左右する?国際貸借説を徹底解説
国際貸借説は、外国為替相場の変動が、国と国との間で行われるお金の貸し借り、つまり国際収支の状態によって決まると考える理論です。ある国の国際収支が黒字の場合、その国の通貨を買いたい人が増え、通貨の価値が上がります(例えば、円高)。反対に、国際収支が赤字の場合、その国の通貨を売りたい人が増え、通貨の価値が下がります(例えば、円安)。
この考え方は、外国為替市場における通貨の需要と供給の関係を理解する上でとても大切です。具体的には、貿易や投資など、さまざまな国際的な取引が為替相場にどのように影響するかを分析する際に使われます。
例えば、日本が海外に製品をたくさん輸出し、貿易黒字になった場合、海外から円を買う人が増えるため、円高になる可能性があります。しかし、為替相場は、金利の違いや経済の成長率、政治の状況、市場の心理など、いろいろな要因で変動するため、国際貸借説だけですべてを予測できるわけではありません。為替相場の変動要因の一つとして理解しておくことが重要です。