寡占

経済の世界で「寡占」とは、ほんの数社の会社が市場の大部分を握っている状態を言います。これは、たった一社だけが市場を支配する「独占」と、たくさんの会社が競い合う「完全競争」の中間の状態です。寡占市場では、それぞれの会社がお互いに影響し合っており、一社の行動が他の会社に大きく影響します。そのため、価格をどうするか、生産量をどれくらいにするかなど、会社間の駆け引きがよく見られます。\n例えば、自動車産業、航空産業、携帯電話産業などが寡占市場の典型的な例です。これらの産業では、新しい会社が参入しにくく、昔からある少数の会社が市場を支配し続けています。寡占市場を分析することは、会社の競争戦略や価格がどのように決まるのかを理解する上でとても大切です。また、政府が市場の健全さを保つためにどのようなルールを作るべきかを考える上でも欠かせません。寡占市場では、会社同士が協力して価格を釣り上げたりする可能性もあり、消費者の不利益につながる恐れもあります。ですから、公正取引委員会などの機関は、寡占市場での会社の行動を厳しくチェックし、不当な取引がないように監視しています。寡占市場について知っておくことは、経済ニュースを理解したり、投資の判断をする際にも役立つでしょう。