
資産運用の世界で知っておきたい、対数正規分布とは
対数正規分布は、確率変数が正の実数のみを取り得る場合に適した確率分布です。この分布の最大の特徴は、確率変数の対数を取ったものが正規分布に従うという点にあります。経済学や金融工学をはじめ、生物学など幅広い分野で活用されており、特に資産価格の変動や収入分布といった現象のモデル化に有効です。なぜなら、これらの現象は値が負になることがなく、大きな値を取りやすいという性質を持つからです。
正規分布とは異なり、対数正規分布は左右非対称な形状をしています。この非対称性が、現実世界の多くの現象をより適切に表現できる理由の一つです。例えば、株価は下限がゼロであり、上限は理論上無限大であるため、対数正規分布でモデル化されることがあります。この分布を理解することは、資産運用におけるリスク管理や投資計画の策定において非常に重要です。