
企業間連携の要、持ち合い株式とは?その意義と課題を解説
持ち合い株式とは、複数の企業が互いの株式を保有し合う仕組みです。特にわが国では、経済成長期からバブル経済崩壊後に多く見られました。企業は株式を持ち合うことで、取引関係をより強固にし、経営の安定やグループ全体の連携を深めることを目指しました。例えば、会社Aが会社Bの株式を持ち、同時に会社Bも会社Aの株式を持つという相互保有の状態です。これにより、株主総会での議決権を通じて、経営を相互に牽制し、外部からの買収を防ぐ効果も期待されていました。
しかし近年では、企業の統治という観点から、持ち合い株式を解消する動きが広がっています。経営の透明性や効率が低下し、企業の価値を損なうという問題点が指摘されるようになったためです。持ち合い株式は、わが国独特の企業間の連携形態として、その役割や影響について様々な意見があります。