
経済相互扶助会議:社会主義圏の経済協力とは
経済相互扶助会議、通称コメコンは、第二次世界大戦後の国際情勢、特に東西対立の深刻化を背景に生まれました。一九四九年、ソビエト連邦を中心として、東欧諸国であるポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、そしてアルバニアの六か国が参加し、設立されました。この組織が設立された背景には、アメリカ合衆国が主導するヨーロッパ復興計画、通称マーシャル・プランへの対抗という目的がありました。マーシャル・プランは、西欧諸国の経済再建を支援することで、アメリカの影響力を広げることを意図していましたが、ソ連はこれを自陣営への脅威と捉え、独自の経済協力体制を構築することで、社会主義圏の結束を強めようとしたのです。
コメコンは、参加国間の経済的な相互依存関係を強化し、計画経済に基づく交易や資源の共有を通じて、社会主義経済の発展を目指しました。しかし、その運営はソ連の強い影響下にあったため、参加国間には不均衡な関係も存在し、内部対立の要因となることもありました。