
確定給付企業年金の基準となる死亡率について
確定給付企業年金を運営する上で、将来の給付額を正確に予測し、必要な資金を適切に準備するためには、加入者の死亡率を予測することが不可欠です。その予測の基準となるのが、基準死亡率です。\基準死亡率は、厚生労働大臣が公式に発表するもので、加入者およびその遺族の性別や年齢といった属性に応じて細かく定められた死亡率のことです。\この死亡率は、過去の統計データだけでなく、将来の社会情勢や医療技術の進歩なども考慮した上で算出され、社会の変化に合わせて定期的に見直されます。\確定給付企業年金の運営者は、この基準死亡率を参考に、自社の年金制度における死亡率を独自に設定し、それに基づいて毎月の掛金を計算したり、将来の給付額を予測したりします。\基準死亡率の設定は、年金制度の健全性を維持するために非常に重要な役割を果たします。\もし、基準死亡率が低く設定されすぎると、将来の給付に必要な資金が不足するリスクが生じ、逆に高く設定されすぎると、掛金が過剰に高くなり、企業の経済的な負担が増加する可能性があります。\そのため、基準死亡率は、慎重かつ適切な水準で設定される必要があります。\確定給付企業年金は、従業員の安定した老後の生活を支える非常に重要な制度です。その制度の根幹となる基準死亡率について理解を深めることは、企業にとっても従業員にとっても大いに役立つでしょう。