益出し

益出しとは、会計上の利益を確定するために、含み益のある資産、特に有価証券などを売却する行為を指します。例えば、百万円で購入した株式が百五十万円に値上がりした場合、売却することで五十万円の利益が確定します。この五十万円が実現益となり、益出しによって会計上の利益として計上されます。企業は、決算期末などに業績目標を達成するために、意図的に益出しを行うことがあります。含み益は、抱えたままでは会計上の利益として認められないためです。 しかし、益出しは必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。市場の状況や今後の株価の動きを考慮せずに安易に行うと、将来的に更なる利益を得る機会を失う可能性があります。そのため、慎重な判断が必要です。また、実現益には税金が課されるため、税引き後の利益を考慮して売却の時期を検討することが大切です。 さらに、頻繁な益出しは企業のイメージに悪影響を与える可能性があります。業績が不安定であると投資家に見なされ、長期的な企業価値を損なうことも考えられます。したがって、企業は短期的な利益だけでなく、長期的な視点も考慮した経営を行う必要があります。益出しは、経営戦略の一環として捉え、総合的な判断に基づいて実行されるべきです。