
見せかけの預金を増やす「相落ち」とは?金融取引の裏側を解説
「相落ち」とは、金融機関が預金残高を一時的に水増しする手法です。例えば、甲銀行と乙銀行が互いに小切手や手形を振り出し合い、それぞれの口座に入金します。これらは手形交換所という機関で同時に決済されるため、帳簿上は預金が増加したように見えますが、実際には資金移動のみで、金融機関全体の預金総額は変動しません。\n\n具体例として、甲銀行が乙銀行へ1億円の小切手を振り出し入金し、同時に乙銀行も甲銀行へ1億円の小切手を振り出し入金します。すると、両行はそれぞれ1億円の預金が増えたように記録されますが、これは見せかけの増加に過ぎません。このような操作を繰り返すと、虚偽の預金残高を大きく膨らませることが可能になります。\n\n相落ちは、粉飾決算などの不正行為に利用されることが多く、金融機関の健全性を損なう可能性があります。利用者は、金融機関がこのような不正な操作を行っていないか注意する必要があります。