
生涯賃金に基づく退職金制度:累積給与比例方式とは
退職金の額を定める方法の一つに累積給与比例方式があります。これは、従業員が会社に貢献した期間全体の給与総額を基に退職金を計算する仕組みです。退職時の給与水準に影響されにくく、長年の勤務に対する貢献を反映しやすいとされています。
具体的には、在職中に受け取った給与の総額に、勤続年数や年齢などを考慮した支給率を掛けて退職金額を算出します。支給率は会社ごとに異なり、従業員の貢献や会社の財政状況が考慮されます。
この方式の利点は、長期間にわたり安定した給与を得ていた従業員の貢献を適切に評価できることです。しかし、昇給が少ない場合や、入社時の給与が低い場合は、退職金が少なくなることもあります。そのため、会社は制度設計において、従業員の職務経歴や給与体系を考慮する必要があります。また、従業員に対して制度内容を詳しく説明し、将来の退職金額の見込みを理解してもらうことが大切です。