経済指標

投資機会曲線は、会社が投資によってどれだけの利益を見込めるかを示すグラフです。縦軸には追加投資によって得られる見込みの利益率、横軸には投資額を示します。通常、投資額が増えるほど、見込みの利益率は下がります。これは、利益率の高い事業から順に投資していくためです。会社は、この曲線と資金を調達する際のコスト（利息など）を比較して、最適な投資額を決定します。曲線と資金調達コストが交わる点が、理論上最も利益が大きくなる投資水準です。この点を超えて投資を続けると、投資から得られる利益がコストを下回り、会社の利益を圧迫する可能性があります。逆に、この点まで投資しないと、本来得られるはずの利益を逃してしまうことになります。投資機会曲線は、会社が限られた資金を最も有効に活用するための重要な道具となります。

投資の金利感応度は、金利の変動が投資額にどれだけ影響を与えるかを示すものです。具体的には、金利が一定割合で変化した際に、企業の設備への投資や住宅への投資などがどれくらいの割合で変化するかを表します。この感応度が高いほど、金利の変化に対して投資が敏感に反応し、低いほど反応が鈍いことを意味します。国の経済政策を考える上で、この感応度を理解することは非常に重要です。中央銀行が金利を操作して経済を活性化させようとする場合、その効果がどれほど期待できるかを予測するために不可欠な情報となるからです。例えば、経済が停滞している時に金利を引き下げたとしても、投資の金利感応度が低ければ、企業は積極的に投資を行わず、経済を刺激する効果は小さいかもしれません。逆に、感応度が高ければ、金利のわずかな低下でも企業の投資意欲を高め、経済の回復を促すことが期待できます。このように、投資の金利感応度は、金融政策の効果を予測し、適切な政策を立案するための重要な手がかりとなります。また、企業を経営する人にとっても、金利の変動が自社の投資計画に与える影響を把握し、危険を管理する上で欠かせない考え方です。金利の動きを注意深く見守り、自社の投資の金利感応度を考慮することで、より合理的な投資判断ができるようになります。