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経済の安定化を目指す:ケインズ経済学の視点

ケインズ経済学では、市場が常に円滑に機能するとは考えません。古典派経済学とは異なり、市場の仕組みがうまく働かない場合、需要と供給のずれは、価格ではなく生産量の変化で調整されると考えます。これを「数量調整」と言います。例えば、ある商品の売れ行きが予想より大幅に悪い場合、すぐに値下げして売れ残りをなくすのではなく、作る量を減らすことで調整を行うと考えられます。これは、企業が頻繁に値段を変えることによる費用や、働く人の給料がなかなか変わらないことなどが理由として考えられます。つまり、ケインズ経済学では、市場の摩擦や制度的な制約によって、値段が柔軟に変わらない状況を考慮しています。このような数量調整の仕組みは、特に短い期間での経済を考える上で重要です。なぜなら、短い期間では値段が固定されていることが多く、生産量の変化が経済全体の動きに大きく影響を与えるからです。政府が景気対策を行う際にも、この数量調整の仕組みを理解しておくことは、政策の効果を予測し、適切な対策を講じる上で非常に重要となります。
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経済学の二大学派:古典派とケインズ派を徹底解説

経済学では、社会全体の経済活動を分析する巨視的経済学という分野があります。この分野には、大きく分けて二つの主要な学説があります。一つは、古典学派です。彼らは、市場には自然に均衡を取り戻す力があると考え、政府が経済に介入することは好ましくないと主張します。もう一つは、ケインズ学派です。彼らは、市場が常にうまく機能するとは限らず、時には政府が積極的に経済を安定させるべきだと考えます。この二つの学派は、経済に対する見方が大きく異なり、現代の経済政策にも影響を与えています。例えば、政府が景気を刺激するために公共事業を行うべきか、それとも税金を減らすべきかという議論は、これらの学派の考え方の違いに基づいています。経済のニュースをより深く理解するためには、これらの学派の基本的な考え方を理解しておくことが大切です。
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需要が供給を決める?ケインズモデルをわかりやすく解説

ケインズ模型は、国全体の収入がどのように決まるかを解き明かす考え方です。主な考えは、全体の需要量に応じて、全体の供給量が決まるというものです。つまり、国民全体の消費や投資といった需要の合計が、生産される物やサービスの量を左右すると考えます。従来の経済学では、供給が需要を生むとされていましたが、ケインズは需要こそが経済活動の原動力だと主張しました。企業は売れる見込みがあるからこそ生産を増やします。需要がなければ、良い品を作っても売れ残るでしょう。特に不景気の時には、政府が積極的に財政政策を行い、公共事業などで需要を喚起することが重要だとされます。これにより、経済を回復させることが期待できます。逆に、好景気の時には、政府は支出を抑え、税収を増やすことで経済の過熱を防ぐことができます。このように、ケインズ模型は経済の安定を目指す上で、重要な考え方を提供しています。
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経済の均衡点:市場原理と国民所得の関係

経済学の世界では、市場の力が最大限に発揮される状態は、理想として語られます。この状態では、人々の欲しいものと作られるもののバランスが自然に取れ、資源が最も効率的な場所に流れると考えられています。かつての経済学では、「作られたものは必ず売れる」という考え方がありました。企業がものを作ることで人々の収入が増え、その収入が新たな需要を生むため、売れ残りが出ないというのです。この考えに基づくと、国の収入は、その国がどれだけものを作れるかによって決まります。資源が豊富で、技術が高く、働く人が効率的な国は、より多くのものを作り、結果として高い収入を得られると考えられます。しかし、現実の経済は常に変化しており、完全に市場の力が発揮される状態はほとんどありません。外部からの影響や、情報格差、市場の独占など、様々な理由で市場のバランスが崩れ、経済全体の効率が悪くなることがあります。そのため、政府は市場の問題を解決し、経済の安定と成長を助けるために、様々な政策を行う必要があります。例えば、独占を防ぐ法律を作ったり、公共サービスを提供したり、教育や研究にお金を出したりします。これらの政策は、市場の力を補い、国民の収入を増やすことを目指しています。また、世界が繋がっている現代では、国際的な協力も大切です。貿易の壁をなくしたり、為替レートを安定させたり、国際的な金融ルールを強化したりすることは、世界経済の安定と成長に欠かせません。
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経済全体を理解する:マクロ経済学の基礎

マクロ経済学は、一国全体の経済活動を総合的に分析する学問です。個々の会社や市場に注目するのではなく、国全体の経済状況を把握し、その動向を予測することを目的としています。具体的には、国内で新たに生み出された価値の総額や、物価の変動、仕事を探している人の割合、お金の貸し借りにかかる費用など、経済全体を示す指標を用いて分析を行います。これらの指標を通して、景気の波や政府が実施する経済対策が、私たちの生活にどのような影響を与えるのかを理解することができます。 例えば、景気が上向きになれば、仕事の機会が増え、収入も増加する可能性があります。しかし、同時に物価が上がり続けるという問題も起こりやすくなります。逆に、景気が下向きになれば、職を失う人が増え、収入が減る可能性がありますが、物価が下がり続けるという問題も起こりやすくなります。マクロ経済学は、経済全体のバランスを考慮し、より良い経済状態を目指すための政策を考える上で、非常に重要な役割を果たします。また、個人にとっても、経済全体の動向を理解することは、将来を見据えた資産形成や職業選択に役立ちます。