
国の財産移動を示す資本収支とは?わかりやすく解説
資本収支は、我が国と外国の間で行われる財産の移転を記録したものです。具体的には、事業への直接出資、株や債券への投資、その他の投資といった資本取引によって発生するお金の流れを示します。例えば、外国の会社が我が国に工場を建設したり、我が国の投資家が海外の会社の株を買ったりするような取引が該当します。これらの取引は、我が国の経済状況や世界的なお金の流れを把握する上で非常に重要な情報となります。
資本収支が黒字である場合、外国から我が国への投資が多いことを意味し、一般的には経済が活発であると考えられます。反対に、赤字である場合は、我が国から海外への投資が多いことを意味し、経済状況によっては注意が必要となることもあります。
資本収支は、経常収支と並んで国際収支を構成する主要な要素の一つであり、我が国の経済政策を策定する上で欠かせない指標と言えるでしょう。資本収支を理解することは、世界経済の中で自国がどのような位置にあるのか、そしてどのような影響を受けているのかを理解するための第一歩となります。また、個人の投資家にとっても、海外投資を行う際の判断材料として活用できるため、その重要性は増しています。