
ナスダック・ジャパンの足跡とその変遷
二千年代初頭、情報通信技術革命が国の経済成長を牽引するとの期待が高まる中、既存の証券取引所の基準は、主に歴史ある大企業を対象としていました。そのため、創業間もない情報通信技術関連企業にとって、資金調達は容易ではありませんでした。そこで、米国ナスダック市場を手本とし、成長が期待できる企業に特化した新しい市場の設立が求められました。大阪証券取引所は、この要望に応え、二千五年五月にナスダック・ジャパンを開設しました。米国ナスダック市場の仕組みや知識を取り入れ、より柔軟な上場基準を設けることで、情報通信技術関連企業などの新興企業の成長を支援することを目的としました。この市場の開設は、国内の証券市場に新たな活力を与え、新興企業の育成を促進するという大きな期待を担っていました。投資家にとっても、成長性の高い企業への投資機会が広がりました。ナスダック・ジャパンの設立は、国の経済構造の転換を示す出来事であり、その後のベンチャー投資市場の発展にも大きく貢献しました。