
為替相場を動かす?五・十日要因の真実
為替市場で時折話題になる「五・十日」とは、特定日に企業間の資金決済が集中し、為替相場に変動を及ぼす現象を指します。具体的には、毎月五日、十日、十五日、二十日、二十五日、三十日といった、五と十の倍数の日に決済が集中しやすい傾向があります。その背景には、以前の商習慣や企業間の取り決めが影響していると考えられています。多くの企業が従業員への給与支払い、仕入れ先への支払いなどをこの日に設定している場合、支払いのための外貨、特に米ドルの需要が高まることがあります。輸入企業が海外の取引先へ支払いを行う際、円をドルに交換する必要が生じ、市場ではドル買いの動きが活発化し、円安ドル高の方向に相場が動く可能性があります。しかしながら、近年の企業の決済方法の多様化や国際化の進展により、五・十日の影響は以前ほど大きくなくなってきています。それでも、為替市場の関係者はこの要因を市場動向を予測するための参考情報として注視しています。