
欧州における人権擁護の要、欧州評議会とは
欧州評議会は、一九四九年に設立された国際的な組織です。その根本にあるのは、欧州地域における人としての権利、民主的な政治、そして法による支配を確立し、それを推し進めるという強い意志です。第二次世界大戦という未曽有の悲劇を経験した欧州各国は、再び同じ過ちを繰り返さないために、共通の価値観を分かち合い、互いに協力し合う体制を築く必要に迫られました。その結果として誕生したのが欧州評議会であり、加盟国は人権尊重などの原則を固く約束しています。設立当初は限られた国々だけが参加していましたが、冷戦終結後には東欧諸国も加わり、現在では多くの国がその一員となっています。欧州評議会と欧州連合は異なります。欧州連合が政治的な統合を目指すのに対し、欧州評議会はより広い範囲での価値観の共有と協調を重視しています。そのため、欧州連合に加盟していない国でも欧州評議会には参加している場合があります。欧州評議会は、人権、民主主義、法の支配という普遍的な価値観を欧州全体に広めるという重要な使命を担っているのです。