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その他

貿易取引を円滑にする:荷為替手形の基礎知識

荷為替手形は、国際的な商取引において、商品を送る側とお金を受け取る側が、互いに安心して取引を行うための仕組みです。商品を海外に送る人が、代金を受け取るために発行する手形に、貨物の引換券のような書類を添付します。この手形を銀行などの金融機関を通して、代金を受け取るのです。この仕組みによって、商品を海外に送る人は、確実にお金を受け取れる安心感を得られます。一方、海外から商品を受け取る人は、代金を支払う前に商品の存在を確認できるため、騙される心配が少なくなります。金融機関が間に入ることで、双方のリスクを減らし、安全でスムーズな貿易を支える大切な役割を果たしています。遠く離れた国との取引では、言葉や習慣の違いから不安も多いですが、荷為替手形があることで、お互いを信頼して取引を進めることができるのです。
投資情報

金兌換停止が世界を揺るがした日:ニクソン・ショックとは

一九七一年八月十五日、時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンが、ドルと金の交換停止という驚くべき発表を行いました。これは、長らく国際的な通貨制度の基礎であった金本位制を事実上終わらせるもので、世界経済に大きな影響を与えました。この出来事は、ニクソン・ショック、あるいはドル・ショックとして知られています。 発表はテレビ演説を通じて行われ、金融市場や経済学者に大きな衝撃を与えました。その内容は、アメリカが持つ金の準備量の減少と、それに対するドルの信頼低下を防ぐための緊急の対応であると説明されました。しかし、影響は一時的なものではなく、国際通貨体制の根本的な変化を促すことになりました。 金本位制のもとでは、各国の通貨は一定量の金と交換できることが保証されていましたが、ニクソン大統領の決定により、ドルは金との交換機能を失い、変動相場制へと移行することになりました。これは、第二次世界大戦後のブレトン・ウッズ体制の終わりを意味し、世界経済は新たな時代を迎えることになったのです。この決断の裏には、ベトナム戦争による財政赤字の拡大や、ヨーロッパや日本との貿易赤字の増加など、アメリカの経済的な苦しい状況がありました。ドルと金の交換停止は、これらの問題を解決するための苦渋の選択だったと言えるでしょう。